チキンビリヤニ
1.はじめに
カレーで作る炊き込みご飯・混ぜご飯的なもの。
真面目に作る場合はお肉を一晩漬けこみたいので調理には2日くらい必要。
さっと作る場合も1時間くらいは寝かせたいので半日はかかりそう。
スパイスも事前に調合しておきたいので充分に余裕をもって臨みたい。
大まかな工程としては以下4工程。肉のマリネにマサラとBiristaオイルを使うので順番も以下の通り。
・ビリヤニマサラ作り
・Birista(フライドオニオン作り)
・肉をマリネする工程
・本調理
2.参考
今回作ったもののベース
その他参考
3.材料
●ビリヤニマサラ (グラムは目安)
□乾煎りするスパイス群
・コリアンダーシード 大さじ2 (12g)
・クミンシード 小さじ1 (2g)
・フェンネルパウダー*1 小さじ2 (4g)
・グリーンカルダモン*2 大さじ3.5 (20g)
・ブラックカルダモン 6粒程度 (4g)
・シナモン(カシア)*3 10g*4
・乾燥唐辛子 8本 (4g)
・黒胡椒 大さじ1 (8g)
・ベイリーフ*5 8枚 (2g)
・クローブ 小さじ2 (4g)
・メース*6 8g*7
□後入れ群 (グラム数は計測忘れ。)
・カスリメティ 大さじ1
・ナツメグ 小さじ1*8
・ターメリックパウダー 小さじ1/2
・塩 一つまみ
●Birista (フライドオニオンのことらしい)
・(赤)玉ねぎ 500g*9
・油 玉ねぎが浸るくらいの量
●肉をマリネする材料群
・鶏肉(できれば骨付き部位)*10 500g*11
・塩 肉の0.8~1%(肉500gなら4~5g)
・レモン果汁 1個分 (ポッカレモン等でもよいと思う。個人的には柑橘系の香りが前面に出ているのが好みなので多めに入れたい。)
・にんにく・しょうがペースト 大さじ4
・青唐辛子ペースト*12 5本分(かなり辛いので減らしたほうがいいかも)
・チリパウダー 大さじ2(上に同じくかなり辛い)
・ターメリックパウダー 小さじ1/2
・コリアンダーパウダー 小さじ2
・ビリヤニマサラ 大さじ1.5
・Biristaオイル(フライドオニオンを作った後の油) 大さじ4
・Birista 作った量の8割
・水切りヨーグルト*13 200g
・刻みミント ひとつかみ
・刻みパクチー ひとつかみ
●お米の香りづけ群
・バスマティライス 500g(肉と同量。実際には約660gを使用)
・ベイリーフ 2枚
・シナモン 1片
・フェンネルパウダー(キャラウェイシードの代用) 小さじ1
・グリーンカルダモン 12粒
・クローブ 5粒
・八角 1個 (*みたいな形のまま1個)
・黒胡椒 4粒
・青唐辛子 2本
・レモン 1個(元レシピでは1/2個)
・塩 ゆで汁1Lに対して10g
●蒸工程で使う群
・刻みミント ひとつかみ(2層分)
・刻みパクチー ひとつかみ(2層分)
・ビリヤニマサラ 適量(大さじ1/2程度)
・刻みカシューナッツ 15gくらい
・Birista 作った量の2割(2層分)
・溶かしバター 大さじ3~4
・Kewra water 小さいスプーン1杯
・レモン 1個
・水 大さじ1
●その他
・お米をゆでる水 米100gに対して1Lくらいを目安にたっぷりと
・肉を炒める時の油*14 大さじ2
4.作り方
できれば2日に分けて作る。
ビリヤニマサラ作り、水切りヨーグルトの仕込み、肉のマリネを1日目に、残りの工程を2日目に行う。
●ビリヤニマサラ
1.乾煎りするものをフライパンにすべて加えて香りが立つまで乾煎りする。
焦げないように気を付けて混ぜる。
2.ミルサーの容量が足りれば1にほかの材料をすべて加えて粉状にする。
容量が足りなければ粉状にした後に混ぜる。
3.密閉容器に詰めて保存。
●水切りヨーグルト
1.ざるの上にキッチンペーパーを敷いてヨーグルトを乗せラップをする。
ざるの下には水受け用のボールやバットを用意しておく。
半量ほど水分が出るので、400gくらい使うと200gくらいの水切りヨーグルトができると思う。
2.冷蔵庫で一晩放置。
●Birista (フライドオニオン)
1.玉ねぎをスライスする。
このとき、繊維を断ち切る方向でカットする。
厚みは厚すぎず薄すぎずということらしいが、薄く均一にカットしておけば問題ない。
スライサーを使うと確実。
2.鍋に玉ねぎが浸るくらいの油を入れたら135℃になるまで加熱してから玉ねぎを加える。
3.最初は強火で、玉ねぎが茶色く色づいてからは弱火にして黄金色を目指してじっくり過熱する。
15分~20分程度時間をかけて火を入れるのが良いらしい。
玉ねぎは油から上げた後も火が入るので、気持ち早めに上げたほうが良い。
4.キッチンペーパーなどの上において油をきる。
必要なら冷める前に上からもキッチンペーパーを押し当てて油を吸い取る。
5.玉ねぎを揚げた後の油(Biristaオイル)も後々使うのでとっておく。
●肉のマリネ
1.にんにく、しょうが、青唐辛子のペーストを作っておく。
まとめてミキサーなりフードプロセッサーでペーストにすると楽。
2.肉に塩、レモン果汁、1で作ったペースト、チリパウダー、ターメリックパウダー、コリアンダーパウダー、ビリヤニマサラを加えてよく混ぜながら肉に揉みこむ。
3.落としラップをして一晩冷蔵庫で寝かせる。
当日中にビリヤニを仕上げる場合は時間の許す限り漬け込んでから本調理に進む。
●本調理
1.バスマティライスとカットが必要な材料(パクチー、ミント、カシューナッツ、レモン、唐辛子、バターなど)を用意する。
お米は3~4回程度水ですすいでから1時間ほど水に浸す。
カットが必要なものはカットする。
お米の香りづけ群がご飯に紛れ込むのが嫌な場合はだしパック等に入れておく。
2.肉のマリネに水切りヨーグルト、Birista(フライドオニオン)、Biristaオイル、刻みパクチー、刻みミントを加えてよく混ぜる。
(スモーキーな香りを追加するために数分燻煙にさらす工程を行う場合はここで。)
3.厚手の鍋に油をしき、マリネした肉を加えて強火で5分程度炒める。
バスマティライスを茹でるためのお湯もここらへんで沸かし始める。
4.弱火に落として蓋をし、12分程煮る。
5.味見をして塩味など調整する。
6.お米の香りづけ群をお湯に加え、1時間浸水させたバスマティライスの水を切ってからお湯に入れて4~5分茹でる。
9割くらいの湯で加減を目指す。パスタでいうアルデンテ?
7.お米を湯切りし、10分強おか上げ(面積のある平たい器にお米を広げて余計な湯気を飛ばす)する。時折フォークで底からかき混ぜる。
香りづけのスパイス群はここで取り除いてもよい。
この間に溶かしバター(あればギー)とKewra waterを用意する。
バター(ギー)は溶かし、kewra waterは水と混ぜ合わせておく。
8.蒸工程の準備をする。
鍋の底に5のカレーっぽいものを均す。
その上に刻みパクチー、刻みミント、刻みカシューナッツ、Birista、ビリヤニマサラ、レモン果汁をまんべんなく振りまく。
その上にすべてのお米を乗せるように(カレーの層と混ぜないように)加えて均す。
お米の上から刻みパクチー、刻みミント、Birista、レモン果汁、溶かしバター(ギー)、Kewra waterをまんべんなく振りまく。
サフランがあれば少量の牛乳に溶かしておき、お米の上から振りまく。
材料の投入が終わったら蓋をする。
(本格的にやるなら小麦粉と水で練った生地で鍋と蓋の隙間を密閉する)
9.蒸工程を行う。
5分程強火で加熱したあと15分程極弱火で加熱する。
そのあとは火を止めて最低10分は蓋をしたまま蒸らして完成。
5.所感
おいしいけれどかなり辛い。
青唐辛子やチリパウダーは量を調節してもよさそう。
今まではバスマティライスを炊いた後におか上げはしていなかったので、この工程を入れるだけでお米のぱらふわ感が増してちょっと感動。
カシューナッツは食感のアクセントになっていい感じ。
閉店してしまったナワブ 日本橋店で食べたビリヤニがかなり好みで、それは柑橘系の香りが強かった気がするのでレモンを多めに入れている。
蒸工程の前にレモン果汁を加えているのがかなり影響していて、柑橘系のさわやかな風味が感じられてよい。
過去にミントを加えたときは粗野な草感があって入れないほうがいいと思っていたものの今回はそれを感じなかった。
バスマティライスの上に過剰に振りかけるとよくないのかもしれない。
メースは初めて使った。
さすがにビリヤニマサラの中に入っているメースの香りを判別できるほど鋭敏ではないので良さはまだわからない。
Kewra waterも初めて使った。
ローズウォーターを使う場合もあるようだけれど、基本的にはどちらも入手しづらい。
香りが強く入れすぎるとビリヤニが台無しになるというようなことを言っている動画もあるので、少量を水で希釈して使っている。
(水で希釈するのはまんべんなく振りまきやすくするため。)
メースと同じくこちらも香りは判別できなかった。
入れないで作って比較でもしないとわからないかも。
メースやブラックカルダモン、Kewra waterなどそこらのスーパーで売っていないものはJR新大久保駅付近のハラールのお店で購入できる。
Kewra waterを使わないのであれば上野のアメ横でもスパイスは揃えられる。
メースやらKewra waterやらを買うんだったらキャラウェイシードくらい買えばよかったと後悔。
*1:キャラウェイシードの代用。できればキャラウェイシードを使いたい。
*2:カルダモンの香りが好きなので多めに入れた。元レシピでは大さじ2
*3:ひとくくりにシナモンといってもセイロンシナモン(スリランカ産)とカシアシナモン(インドや中国産、その他産地)とで微妙に違うらしい。
参考:
*4:元レシピでは3インチ(約7.5cm)。個体差もあると思うので今回は目分量で使用し、その量を記録。
*5:ローリエ、ローレルとは別物。ローリエは月桂樹の葉で、ベイリーフはシナモンの葉。葉脈で見分けられる。厳密にはシナモンにも種類があるのでその葉もいくつか種類があるようだけれど、よほどこだわらない限りは気にする必要もなさそう。ローリエとローレルは同じもので、フランス語読みかスペイン語読みかの違いらしい。
*6:ナツメグの親戚みたいなもの。ナツメグは殻付きのクルミを少し小さくしたような見た目で、その周りを覆っている厚めの皮のような部分がメース。
参考:
*7:元レシピでは3個。砕けていて1個がどれくらいか不明だったので目分量で使用し、その量を記録した。
*8:元レシピでは1/2個を削り入れるとしている。
*9:小さめの赤玉ねぎ6個を使用。実際に使用した玉ねぎのグラム数は未計測。加熱すると驚くほどかさが減るので思ってるより2~3倍くらい用意しておくと吉。
*11:実際には660g程度を使用。
*12:品種によって辛さが違いそう。上野で購入したものはおそらく韓国のもの。インド人の動画を見ていると唐辛子がししとうのような質感に見えるが、購入したものは肉厚なので違う品種だと思う。結構辛いので5本は多いかも。
*13:本来はカードを使う。チーズの前身のようなもの。ノンホモジナイズド牛乳をレンネットで凝固させて自作も可能だけれど、これはこれでハードルが高いので水切りヨーグルトで代用。
*14:本来はギー。バターの油分以外を除去したものなので、バターを弱火で長時間煮詰めれば自作できる。代用で溶かしバターを使う場合は焦げ付かないようにバターとBiristaオイルを半々で使用したほうがいいかもしれない。