gm0753のブログ

作った料理などを自分用にまとめるブログ。

2020年のバレンタインのチョコ(ボンボンショコラ)

1.材料

 ・モールド用チョコレート 300~400g
ガナッシュ
・銀粉

 

塩キャラメルのボンボンショコラで中に詰める板チョコ用

・ヘーゼルナッツ 17g
・スペキュロースペースト 42g
・スイートチョコレート 50g
・塩 ひとつまみ

 

ガナッシュの材料

塩キャラメル

・水 23g
・水飴 13g
・グラニュー糖 70g
・無塩バター 21g
・生クリーム(35%) 75g
・バニラビーンズ 1/4本
・塩 ひとつまみ
・スイートチョコレート 5g

 

紅茶

・生クリーム(35%) 45g
・茶葉 5g(JANATのオリジナルアールグレイを使用)
・水飴 10g
・ミルクチョコレート 80g
・無塩バター 7g

 

コーヒー

・生クリーム(35%) 90g
・コーヒー豆 4g(カルディで購入したフローラルモカを使用)
・インスタントコーヒー 0.5g
・ダークチョコレート 110g
・ミルクチョコレート 25g
・無塩バター 25g

 

ラズベリー(フランボワーズ)*1

・生クリーム(35%) 15g
・フランボワーズピューレ 45g
・水飴 15g
・ルビーチョコレート 125g
・無塩バター 17g

 

使用したチョコレート

ダークチョコレート(スイートチョコレート)
www.callebaut.com

 

ミルクチョコレート

www.callebaut.com

 

ホワイトチョコレート

www.callebaut.com

 

ルビーチョコレート

www.callebaut.com

 

2.使用器具

チョコレート型(ダイヤ)

www.chocolateworld.be

www.grandchef.co.jp

 

チョコレート型(半球)

www.chocolateworld.be

www.grandchef.co.jp

 

スパチュラ

www.biccamera.com

 

放射温度計

www.shinwasokutei.co.jp

 

耐熱ボウル

ゴムベラ

(大理石の板)*2

ちょっといい感じのラッピング用品

www.e-heads.co.jp

www.e-heads.co.jp

 

3.作り方

チョコモールド

1. テンパリングの取れたモールド用のチョコレートを型に流し入れ気泡を抜いたら型を逆さまにして余分なチョコを除去する。チョコの表面に銀粉などで模様を付ける場合は最初に型に塗布しておく。

2. モールド用のチョコが固まったところでガナッシュを流し入れる。

2.5. 塩キャラメルのボンボンショコラの場合、ガナッシュの上に蓋となるチョコ板を乗せる。
ローストしたヘーゼルナッツを細かく刻み、スペキュロースペースト、チョコ、塩を混ぜ合わせて溶かしたものにナッツを加える。
ジップロック等の袋に詰めて薄い板状に成型してから冷凍し、固まったところで直径25mm程度の円形に切り抜く。(口金を使うと楽。)
再び冷凍庫で冷やし、ガナッシュの上にのせて使用する。

3. ガナッシュが固まったらテンパリングの取れたチョコでガナッシュに蓋をする。スパチュラやスケッパーで余分なチョコを除去し、固まったところでチョコを型から外す。
うまくテンパリングが取れているとチョコが収縮しているため、型をひっくり返すだけでチョコが取り出せる。取れない場合は軽く叩く。取れなければ失敗かも。

 

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モールド用チョコの作製

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ガナッシュの注入

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ガナッシュに蓋をする

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型から出して完成(一発目の試作品だけどうまくいって喜んで撮った写真)

ガナッシュのレシピ

塩キャラメル

1. 水飴、水、グラニュー糖を弱火で加熱する。

2. バニラビーンズを鞘からこそげ取り、塩、鞘と一緒に生クリームに入れてふつふつと沸いてくるまで弱火で加熱する。

3. 1が180℃になったところで火を止めバターを加えよく混ぜる。

4. 2を3に数回に分けて加えてよく混ぜ、再度弱火にかけ108℃まで加熱する。

5. ザルで濾してからスイートチョコを加えよく混ぜてから冷ます。

 

コーヒー

1. コーヒー豆を荒く刻み、生クリームと一緒にふつふつと沸くまで弱火で加熱する。

2. ザルで濾し、インスタントコーヒーを加えてから再び弱火でふつふつと沸くまで加熱する。

3. チョコに2を加えて混ぜる。

4. 40℃になったところでバターを加えて混ぜる。

5. 30℃まで温度が下がってからチョコモールドに流し入れる。

 

紅茶

1. 生クリーム、水飴、茶葉をあわせて弱火にかけ、ふつふつと沸くまで加熱したら火を止め、10分放置して香りを移す。

2. 1をザルで濾し、55gになるように生クリームを加える。

3. 2をチョコに数回に分けて加えながら混ぜる。

4. 温度が33℃~38℃になったらバターを加え、混ぜる。

5.  30℃まで温度が下がってからチョコモールドに流し入れる。

 

ラズベリー

1. 水飴、生クリーム、フランボワーズピューレをあわせてふつふつと沸くまで弱火にかける。

2. 1をルビーチョコレートに加えて混ぜる。

3. 2がよく混ざったら無塩バターを加えて混ぜる。

4. 30℃まで温度が下がってからチョコモールドに流し入れる。

 

 

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ボンボンショコラ4種

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おしながき センス無いので妥協クオリティ

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断面(塩キャラメル)

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気合い入れて作ったら業者みたいな感じになったときの図

 

4.テンパリング

簡単にいえばテンパリングはチョコを溶かす→冷やす→ちょっとだけ温めるという工程。
この作業はチョコレートの結晶を理想的な状態にすることが目的。

チョコを使ったレシピ動画では**℃→**℃と温度遷移しか紹介されていないことがほとんどだけれど、正確にはメーカー(もっといえばカカオマスカカオバターの含有量と乳脂肪分などの混ぜものの割合)によって適切なテンパリング温度は異なるので、メーカーがアナウンスしている温度を確認してからテンパリングに臨んだほうがいいと思う。

チョコレートが固まるとき、そのときの温度などで結晶構造が異なってくるため、温度を適切にコントロールして理想的な結晶を作ることがテンパリングという作業。
その結晶は1型~6型まで存在し、通常の操作で形成されるのは4型~6型。

4型は冷蔵庫などで急速に固めたときにできる結晶構造で、融点が低く手で持ったときに溶けやすい。ただし溶けやすさは口溶けの良さでもあるので食感は悪くない。
また、結晶構造が脆いため崩れやすい。
溶けやすさ、結晶構造の脆さからパキッと割れるような質感にはなりにくく、フニャッとした質感になる。

5型は理想的な結晶構造で、テンパリングで目指す構造。
融点が高すぎず低すぎず(32℃~36℃)、手で持っても溶けにくいものの口に入れると溶けてくれるので触感が良い。
また、結晶が整然と並ぶような結合の強い構造のため、表面に光沢感がでて見た目もよく、割ったときにパキッというような質感になる。

6型は温度が高い状態で放置されて固まったときにできやすい結晶構造。
融点が高いため口溶けが悪い。
また、結晶が荒く食感がボソボソとする。
ブルームと呼ばれる白い粉がふいたような表面になり、見た目も悪くなる。

チョコレートの結晶は34℃以上で完全に溶けるため、
1. 40℃~50℃まで温度を上げて結晶をなくし
2. 27℃程度まで温度を下げ4型の結晶を形成
3. 少し温度を上げて28℃~32℃にして撹拌することで5型の結晶を形成
というのがテンパリングの流れ。
(4型の結晶は28℃~32℃で結晶が整列し始めて5型になるらしい。)

温度管理が重要だけれど、撹拌することで結晶化を促すのも重要。

一度テンパリングの取れたチョコは固まってしまっても32℃以下で溶かすことで再度テンパリングを取ることなく使用することができる。
ただし温めるときに撹拌しすぎると5型結晶が過多になり非常に固まりやすく、操作性が悪くなってしまうことがある。
その場合は溶けた部分をすぐには撹拌せず放置し、適度に結晶を破壊してやると良い。

(ここまでほぼ参考のリンク先の動画の内容)

原理を理解すると、テンパリングの本質は温度管理ではなく結晶構造のコントロールだということがわかるので、上述した溶かす→冷ます→少しだけ温めるという工程を経なくてもテンパリングを取ることが可能になる。

というか真面目にやろうとするとめちゃくちゃ大変だし素人がやると失敗するのでできるだけ楽な方法でやろうというのがやってみた所感。

楽にテンパリングする方法は、ちゃんとしたメーカーのテンパリングの取れたチョコレートを買ってきて、溶かしたチョコに溶かしていないチョコを混ぜて32℃以下になるようにするということ。
テンパリングの取れたチョコを混ぜることで5型の結晶をドーピングすることができるので、(全体の温度が33℃を超えさえしなければ)撹拌することで簡単にテンパリングのとれた(5型の結晶が育った)チョコレートになる。

何度もチョコを溶かしては固め、溶かしては固め、、、ということをやってみたけど、最終的にはレンチンで5秒~10秒ずつこまめに温度を確認しつつ溶かして使うというのが洗い物も少ないし失敗もしにくくて楽という結論に至った。

そのためにちょっと高くてもチョコ選びは大事。

ただしレンチンで32℃を超えないように溶かす方法では粘度が高く固まりやすかった(おそらく5型結晶が多すぎる状態になっていた?)ので、40℃~50℃くらいまでしっかり温めて溶かしたチョコへ、その重量の何割かの固形のチョコを混ぜ込む方法が良さそう。
(調べてみたら、これはフレーク法、種付け法、シード法と呼ばれるちゃんとしたテンパリングの手法らしい。テンパリングの理解が間違ってなかったっぽくて嬉しい。)

 

5. 総評

 ボンボンショコラは中にガナッシュなどが入るので少し手が込んではいるものの俗に言う「溶かして固めたチョコ」だと思うけど、その溶かして固めるだけがめちゃくちゃ難しいと痛感した。

チョコの取り扱い難しいしチョコ専門のショコラティエなんて職業があるのも納得。

単純に道具(設備)の問題もあると思うけど、時間かかるしうまくいかないし、日月火の3日間ひたすらチョコを溶かしては固める生活を送ってなお60点くらいの出来にしかならなかった。
最終的にはブルームの出ていない、テンパリングちゃんとできているっぽい仕上がりにはなったものの、型に流すときのチョコの粘度が高い&固まるのが早かったので表面に気泡があったりモールドの厚みが均一ではなかったり、よく見ると素人感の拭えないできになったのが心残り。
配った同期の皆さんには「え?これ作ったの?(買ったものじゃないの?)」という反応をして貰えたのでぱっと見それなりのものに仕上がったのはよかった。

最初はルビーチョコレートとフランボワーズのガナッシュの1種だけのつもりだったけど、試作したときにそこそこ上手くできてしまったことと4個同じものを箱に詰めるのも味気ないということで2種作ることにし、4連休で時間あるし4種にしようと数を増やしたのも良くなかった。
材料足りないし、全種合わせてトータルで10回くらいは作り直す羽目になった。

ただ少しずつ要領よく作業できるようになったりうまいことできそうな糸口が見えたりしているので機会があれば再挑戦したい。
地味に道具類高かったし余ったチョコもいっぱいあるし。 

 

6.引用元、参考

レシピ

Les sens cielさんの動画より

www.youtube.com

 

www.youtube.com

www.youtube.com

へらぽPatisserieさんの動画より

www.youtube.com

 

テンパリング

須藤銀雅さんの動画より(めちゃくちゃいい動画)

www.youtube.com

www.youtube.com

Callebaut公式の動画より

www.youtube.com

Les sens cielさんの動画より

youtu.be

www.youtube.com

Chocolate Cacao チョコレートカカオさんの動画より

youtu.be

*1:ラズベリーをフランス語でいうとフランボワーズらしい

*2:パンを捏ねる作業台として使っているものを転用。テンパリングで使ってもいいし、型から余分なチョコを除去するときの作業台としても使えるのであると便利。